チープカシオとは何か?

IMG_7901

基本中の基本になりますが、チープカシオについて復習してみたいと思います。

カシオはクォーツ時計がまだ高級だった時期である1974年(昭和49年)、「カシオトロン」を発売しデジタル時計の分野に進出しました。

カシオトロンの後継ラインとして、1979年(昭和54年)に発売した低価格モデルF-100を始祖に、世界的にデジタルウォッチを広めてきました。

1983年のG-SHOCKは、腕時計の新しいカテゴリーとしての地位を確立し、年間1,000万本を出荷する今では、軽く1億本を超える本数が売れた人気ブランドとなりました。

そんなカシオの腕時計の中でも、5,000円以下で購入できる安価なモデルは、総じて「チープカシオ」「チプカシ」と呼ばれるようになり、2010年代に日本でブームとなりました。

量販店やドンキやホームセンターなどの激安スーパーで、壁にズラっと掛けて陳列されているようなモデルです。(5,000円以下のモデルであっても、データバンク、カリキュレーターなどのモデルはチープカシオと括らない場合もあります。)

誤解の多いチープカシオの名前の意味

チープカシオの名前の意味は、誤解されて広まっているように思います。

チープカシオのチープとは「安っぽい」という意味ではなく、「低価格帯(チープライン)」という意味です。

チープカシオには明確な定義が無かったため、愛好家たちがネット上で「安い価格帯のカシオ」を「チープカシオ」という愛称で呼び始めたものが定着したと言われています。

日本では「カシオスタンダード」と呼ばれるラインに包括されていますが、海外では「Collection」「Vintage」「Classic」「Youth」など、地域によって括りが異なります。

こうした状況のため、日本の愛好家がイメージしやすいよう「チープカシオ」と括るようになりましたが、海外では「CheapCASIO」は通じません。

ただし、チープカシオの人気と共に名称が定着しはじめ、CASIOの公式オンラインストアに「チープカシオ」という表記が採用されるに至り、半公式の名称となりました。

これに愛好家たちが歓喜したのは、記憶に新しいところです。

チープカシオが人気の理由

IMG_8766

90年代〜00年代は、80年代的なスタイルを「カッコ悪い」とする風潮がありました。

しかし、80年代を経験したことのない世代が成長し、80年代的な意匠が再評価されはじめ、形がほぼ変わらないチープカシオが「ダサかっこいい」といった表現でコーディネートすることが人気となりました。

海外では変わらぬ人気アイデムではあったのですが、日本では人気がなくあまり目にしなくなった事もあり、逆に新鮮に写ったという状況でした。

また、MQ-24などのアナログモデルは、80年代感はないものの、安っぽさではなく可愛さに繋がっている仕上げの良さがあります。

大きな時計が多いなか、絶妙な質感やサイズで男女問わずオシャレに着けられる点も高評価でした。


そして、人気の理由は、気の利いた80年代的な見た目だけではありませんでした。

チプカシの代名詞であるF-91WやMQ-24などは、900円程度で購入できる超低価格であるにもかかわらず、精度や耐久性に優れている点も評価の要素となりました。

イギリスで20年前に失くしたF-91Wが庭から発掘され、無事に動いたという話題が世界的に盛り上がり、日本のチプカシブームの起爆剤になったという一面もあります。


日本発の世界的に人気のアイテムであり、安くて、丈夫で、高品質、しかもオシャレ。

こうしたブランド性が、お金のない若者だけでなく、あえてハズしアイテムとして大人たちが選ぶことが多くなったのです。

80年代的なテクノ感

IMG_8749

チプカシのデジタルモデルは、よく「レトロフューチャー」と表現されることがありますが、これには少々違和感がありました。

レトロフューチャーという表現は、80年代的というよりもスチームパンク的なものや、ジュールベルヌやアシモフをはじめとした最初期のSFに使うような表現のように思えてしかたないのです。

19世期のような意匠をのこしたまま、60年代の宇宙時代に対応していくような感覚のものです。

実際、60年代〜70年代の機械式腕時計には、オメガのコズミックやスピードマスターMk2のような、レトロフューチャーやスペースエイジといったアプローチの未来的な外見のモデルが多く見られます。

こうしたモデルと、チプカシのデジタルが持つ古い未来感は、ちょっと違うと思うのです。

そんななか、僕が所属している腕時計倶楽部の会話の中で、この違和感を解決してくれるキーワードに出会いました。

それが「テクノ感」です。

80年代のキーワードはまさに「テクノ」でした。

「クラフトワーク」や「YMO」に代表されるテクノカットや、ビデオゲームのテクノ感。

ハリウッド映画に代表されるSF映画も、夢のテクノロジーに満ち溢れた「テクノ感」があります。

実際、こうした映画ではチプカシを着けていることが多く、今とほぼ同じ見た目であることもあり、チプカシを「テクノ感」と表現することの納得感に繋がりました。

テクノ感を確認できる80年代映画

SC0502

この「テクノ感」を確認できる映画が、80年代にはたくさん作られ、今でも観ることができます。 キリが無いのですが、スピルバーグ監督やジョン・バダム監督の作品、007シリーズなどは、取り分けわかり易いように思います。

最近の「ストレンジャー・シングス」なども80年代のテクノ感が満載ですね。


以下は、腕時計がカシオデジタルとは限りませんが、80年代のテクノロジー文化を満喫できる作品の一例です。

  • 「E.T.」
  • 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
  • 「ブルーサンダー」
  • 「ショートサーキット」
  • 「ウォー・ゲーム」
  • 「007 ムーンレイカー」
  • 「ゴーストバスターズ」
  • 「エイリアン」
  • 「ロボコップ」
  • 「未来警察」
  • 「ヒドゥン」
gb0502
bt0502
wg0502

特徴は、シルバーと黒を基調に、赤+青+黄の差し色を大胆に使い、白線で区切り、ペールトーンはほぼ使わないところです。チプカシのデジタルも同じようなカラーリングのモデルが多いですね。

テクノ感」、いかがでしょうか?(笑)

チープカシオの紹介

真田腕時計博物館(当ブログ)では、私物のチープカシオをいくつか紹介していきます。

実際に使った感想や、腕時計好きの端くれとしての評価などを綴っていこうと思います。